TVドラマ「ライフ」がノベルに!(3)
TVドラマ「ライフ」がノベルになった!
日本中のファンが大注目の、もうひとつの「ライフ」を完全ノベライズ!
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メモが回ってる。歩が気づいたのは、田崎の数学の時間だった。このつづきは、9月15日放映の「ライフ」第9回と、
「……?」
愛海の隣の生徒に紙が渡り、メモを読んだ生徒が、前の席の生徒と愛海を見て笑い合う。
愛海がいきなり立ち上がって、その紙を奪い取った。
「なんだ? 安西、どうした?」
クラスの目が、いっせいに愛海に注目する。
「別に……なんでもありません」
愛海はにっこりして席に着くと、手に隠していたメモを開いた。
『次は安西』
愛海を揶揄するヒソヒソ話と笑い声が聞こえてくる。
「……!」
歩には、メモを握りつぶす愛海に自分の姿が重なって見えた。
愛海への攻撃は、礼奈たち女子から始まった。
愛海の教科書や筆箱がボールで、ゴミ箱がゴールポスト。
シュートが決まるたび、歓声が上がる。
「うまいうまい。ナイッシュー」
里絵も参加してきて、愛海を取り囲む。
「なにすんの? 拾いに行きなさいよ」
愛海がにらみつけると、里絵たちは顔を見合わせクスクス笑う。
「安西さー、佐古君とこの会社、潰したんだって?」
礼奈が学校中に回っている噂を口にした。
「廃墟の事件も佐古君襲わせたのも全部、こいつがやったんだ」
里絵が得意げに情報を流す。
「ヒロ脅してたのも、あんたなんでしょ?」
「ひどい」「ありえない」「こわーい」と口々にはやしたてる。
「……!」
「うわあー。汚いカバン」
礼奈が愛海のカバンを逆さまにして、中のものを床にぶちまけた。
弁当の蓋が開き、中身が床に散らばる。
──卵焼き。
歩はハッとした。いつか校庭で愛海が食べさせてくれた……。
その時、みどりが駆けつけてきて礼奈を突き飛ばした。
「テメエ、なにやってんだよ!」
「はあ? あんたも同じようなことやってたじゃん」
ウッと詰まったみどりを見て、みんながどっと笑った。
トイレに入ると、カバンを持った愛海が、鏡に映る自分の顔をジッと見つめていた。
「……いじめられるって、つらいでしょ」と歩は言った。
「は?」
「少しは人の痛みがわかった?」
鏡越しに目が合い、愛海が歩をにらみつける。
「マナは悪くない」
「みんな離れていくよ」
出ていこうとしていた愛海が、その言葉に立ち止まった。
「愛海がしてきたこと全部知ったら、みどりだって」
「みどりはマナのこと裏切ったりしないよ」と愛海が鼻先で笑う。
「だってアイツ、バカだもん。マナのこと信じてるから、なんだってやってくれちゃうし」
「みどりの気持ちまで利用してるの?」
「だから? なんか問題ある? バカでも利用されるだけ価値があるんじゃない?」
「そんなの友達じゃない」
「歩のくせに、マナに説教する気? ウザいんですけど」
愛海は、手に持ったカバンを思いきり洗面台に叩きつけた。
「あんたにマナのなにがわかんの?」
フンと鼻を鳴らし、トイレを出ていく。
──そう。まったくわかってなかった、マナのこと……。
トイレの個室で聞いていたみどりは、悔し涙を浮かべ、ドアをにらみつけた。
(「ドラマノベル ライフ」 原作/すえのぶけいこ 講談社刊 より)
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